はじめに

 (財)自由時間デザイン協会の2002年度「レジャー白書」によると、余暇市場は1997(平成8)年をピークにマイナス成長を続けており、2001(平成13)年は83兆750億円、前年比2.3%の減となっています。「趣味・創作」(1.0%減)および「観光・行楽」(1.6%減)よりも、「スポーツ」(3.6%減)の落ち込みが目立っています。同年には米国テロ事件が発生、その反動による国内観光・行楽の拡大等のよる市場の活性化が期待されましたが、結果的にはこれも思ったほどの市場活性効果は得られませんでした。
 一方、余暇活動への参加状況は徐々に回復する傾向にあります。参加は増えているが市場は縮小する、つまり余暇関連業種には「勝ち組」と「負け組」の2極分化が起こっているようです。
 特に「観光・行楽」におけるテーマパーク業態においては、2001(平成13)年に、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪市)、「東京ディズニーシー」(浦安市)の大規模事業がオープンして、限られた需要を取り込む競争が面的に拡大し、いっそう激化しています。また、バブル期に企画・建設した集客施設は、その後の長期の不況と金融環境の激変で、イニシャルコストの負担に耐えきれず、撤退や再生を余儀なくされるケースが増えています。
 一向に景気回復の声が聞こえない2002(平成14)年の今、各地のテーマパークは集客強化と生き残りのために、どのような施策を重ねているのでしょうか。そこで、本章では“東西の外国生まれの横綱”TDLとUSJはさておき、その他の有力テーマパークの現状についてレポートしています。
 なお、シーガイアとハウステンボスは、テーマパークとして分類するのは少々乱暴かもしれませんが、娯楽設備のあるリゾートパークとして含めることにしました。

 ■国際ブランドで再建進める「シーガイア」
 ■「テーマパーク」脱却を進める「和歌山マリーナシティ」
 ■“都市の遊園地”回帰を図る「倉敷チボリ公園」
 ■「ハウステンボス」 “千年都市”理念は揺るがず
 ■“イバラの道”続く「グリュック王国」
 ■エスパーニャ(スペイン)色薄める「志摩スペイン村」

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